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TOPページ > ハービー・山口の「雲の上はいつも青空」 > 第57話 『ジャンルー・シーフのカフェ・トーク』

第06話 『 プチスランプ 』

 寒い冬はなにかと外に出るのが億劫でついついカメラもカメラ庫にしまいがちです。
でも冬なりにいい被写体がある筈ですよね。僕はかつてフィルム現像も自分でやっていましたけど、ここ何年かフィルム現像だけラボに頼んでいます。
僕の家から代官山の坂道を越え約15分程でラボに着きます。そのラボにバイクで行きがちですが運動不足解決もかね、つとめて歩いて行くようにしています。この時必ずライカを一台胸にぶら下げて行きます。道中、何か良い被写体と出会うかも知れないからです。
第4話でお話に出てきたM3とズミルックス50ミリの組み合わせがこのところ標準機材です。しかし、この数日、一枚もシャッターを切れていなかったのでちょっとした、プチスランプに落ちていたのです。これが結構悶々として精神的に辛いんですね。

かつて「スランプに落ちたらあなたはどうしますか?」という質問を僕は会う写真家に聞いて回ったことがあります。
かの植田正治先生はその質問に、「使ってるカメラを変えてみなさい。」とおっしゃいました。確かにその通りで、自分の機材に飽きちゃうことが時としてあるんですね。
すると見るものすべて色褪せて写真が撮れなくなるんです。こんな時、新しい一本のレンズ、一台のカメラを手に入れると違った画角、違ったフォーマットや手触りが刺激となってスランプから脱出出来るわけです。
僕が歌手の福山雅治さんと植田正治写真美術館を訪れた時、僕も福山さんもライカM3・M4を装備してお会いしました。植田先生は「僕もむかしライカを使ってましたけどね、今は一台も持っていないんですよ。こうしてホールディングするやり方もあるんです。」とライカを手に取って構え方を教えて下さいました。その日、幸運にも植田先生とご一緒に暗室に入り、先生のプリントの仕方をつぶさに見学させていただきました。 その後、カメラ雑誌に、「植田先生が銀一カメラでM3と、ズマリットを注文された。」という記事が載っていました。僕と福山さんのライカを見て、やはり私も一台は持っていないとと思われたのでしょうか・・・。それとも、植田先生とて、先生なりのスランプに落ちていらしたんだろうかと、想像を巡らしました。
ところで僕がスランプになったらどうしますか?と問われたら、「恋をすること」と答えています。若い娘と本当の恋に落ちるという意味ではなく、人じゃなくても夢中になれる被写体とか、気に入ったレンズとか聴き飽きないCDとか見飽きない映画とか、とにかく恋と同じで夢中になれる何かに出会うことが大切なんです。

 先日、夕刻、撮影済みのフィルムをポケットに詰め込み、ラボに向って歩いている途中、コンビニの前の階段に座り込み、小さな犬をあやしている若いカップルを見つけました。犬は専用のキャリングケースからかわいい顔を出していました。そのケースがルイヴィトン製でドギーキャリアというらしいんです。
「セレブですね」と言うと、「いや、犬だけ」と彼らは多少自嘲気味に答えました。彼は美容師、彼女はネイルアーティストでした。彼らはとてもフレンドリーで僕の話をよく聞いてくれました。数枚撮らせてもらい、これをきっかけに、恋はしませんでしたが僕のここ数日のプチスランプは無事終わりました。地道に努力を続けることがなにより大切なんだと改めて思いました。